砥部焼について
砥部町は愛媛県の中央に位置し、江戸時代から砥石くずを原料に器を作り、豊富な松の木を燃料に登窯で砥部焼を焼いていました。約240年たった今も、その歴史と伝統はいかされており、砥部焼は国の伝統的工芸品や県の無形文化財に指定されています。
砥部焼といえば、青みがかった白色で、全体的にぽってりとしたフォルムに、勢いのある筆さばきで伝統的な文様「太陽文」「唐草文」「なずな文」等を描いたものが一般的で、分厚く、丈夫なのが特徴。近年では女性陶芸家や若手陶芸家の新たな感性やアイデアによって、砥部焼の幅が広がっており、全国にたくさんのファンがいます。現在では砥部町を中心に約100軒の砥部焼の窯元があり、個性豊かな作品を生み出しています。
砥部焼の壺 【生命の碧い星(The Blue Star of Life)】
劇中にも登場する、国連に置かれている砥部焼の壺「生命の碧い星(いのちのあおいほし)」。竜見のモデルとなった砥部焼の陶芸家・白潟八洲彦さんの作品です。
白磁、染付で、高さ160cm、直径105cm、重さ300kgという、ろくろづくりでは日本最大級の焼き物。白潟さんは若い頃に青年海外協力隊員としてフィリピンに渡った経験もあり、世界平和と地球環境保護の願いをこめた、国境が描かれていない巨大な地球儀です。
1995年10月、国連創立50周年記念事業として、砥部町は「生命の碧い星」をスイス・ジュネーブの国連欧州本部国連軍縮会議場ロビーに寄贈、設置しました。この壺の中には、全世界の人々の意思の象徴として、世界各地から収集した小石や広島・長崎の被ばく瓦なども納められています。
なお、砥部町の砥部焼伝統産業会館には「生命の碧い星」の姉妹品が展示されています。
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